今回は、私の一番好きなアーティストである小松未歩について、その歴史と私の思いを拙筆ながら綴りたいと思います。
「コナン」のイメージが強いアーティスト
小松未歩といえば、やはり名探偵コナンの主題歌を歌っている人、というイメージがどうしても強いアーティストです。それ以外にも、モンスターファームの主題歌「風のそよぐ場所」やLの季節、Missing blueといったゲームの主題歌などがあり、アニソン歌手と思われてることもしばしば。
私ももちろん、コナンから入ったくちであるので否定はしませんが、それでも小松未歩の魅力はアニメ主題歌であることではありません。
私が小松未歩を好きな理由 ー歌詞の奥深さー
小松未歩が好きな皆さんには頷いてもらえると思うのですが、小松未歩の一番の魅力は「歌詞の奥深さ」だと思います。
言葉遣い自体はあまり小難しくなくて、むしろ子ども向けアニメの主題歌にも使われているくらい表現もわかりやすいものばかりです。
しかしながら、聴けば聴くほど小松未歩ワールドに引き込まれてしまう奥深さ、奥ゆかしさがあります。
例えば”一人称”ひとつとっても、かなり奥深いです。ちなみに私は小松未歩の歌詞に出てくる一人称と二人称をテーマに高校の卒業論文の書き上げました。
「僕を困らせることばかり言う 君でもずっと愛しているよ」
輝ける星 / 小松未歩
まっすぐ見つめてる あなたの瞳は捜し続けてた
私だけの輝ける星
2ndシングル「輝ける星」のサビのフレーズですが、ここにはそれぞれ2種類の一人称、二人称が登場します。歌詞を見れば前半部分がセリフであることに気づきますが、曲を聴いているときにはかぎかっこなんてわかりませんよね。
でも”僕”、”君”から”私”、”あなた”に変わっているところから、前半部分はこの曲におけるあなたの言ったセリフであることがわかります。
これ以外にも、小松未歩の曲は一人称や二人称の多様性（”おら”とか”拙者”とかそういう意味ではなく）が富んでいるので、ぜひ注目してみてほしいです。
謎、願い事ひとつだけ、チャンス… 連続のスマッシュヒット
話を小松未歩の歴史に戻します。まずは小松未歩を語る上で外せないのが、デビューシングル「謎」。この曲で約8か月ものオリコンチャートランクインというロングヒットを記録します。
その後、同じくコナンのEDになった「願い事ひとつ」だけや「氷の上に立つように」がスマッシュヒット、そして小松未歩のシングルの中でオリコンチャート最高位である3位を記録した「チャンス」など、この時期はビーイングの時代ということもあり絶頂期と言えます。
加えて2ndアルバムの「未来」は、50万枚を大きく超える売り上げで、小松未歩を代表するアルバムといっても過言ではないでしょう。
転換期「さよならのかけら」
私はとても好きな曲なんですが、7thシングルの「さよならのかけら」が一つの転換期であると言われています。
あの子と友達になるわ 会えなくならず済むのなら
ドアの外で 凍えそうで 何も感じなくして
さよならのかけら / 小松未歩
コナンやめざましテレビのテーマソングに使われるなど、今までの小松未歩の曲はどちらかというと明るく、健気な少女というイメージの曲がメインでした。（実はそんなことはないですが）
ただ、このシングルが「氷の上に立つように」までのファンの一部が持つ小松未歩のイメージと合わなかったのか、さよならのかけら以降少しずつCDの売り上げは落ちていきます。
もちろん、「風のそよぐ場所」や劇場版の主題歌になった「あなたがいるから」はヒットしたのですが、その後の恋愛三部作と言われる「君の瞳には映らない」、「Love gone」、「とどまることのない愛」以降にオリコンチャート20位以内に入ったのは「mystrious love」のみ。
それでも私は、これこそが小松未歩の魅力だと、胸を張って言いたい。単純に「健気な少女」というわけでなく、その裏には悩みだったり暗がりを抱えていて、それでも前を向いて頑張っている、そんなメッセージが小松未歩の楽曲からは伝わってくるからです。
私は人生観の骨格が出来上がるであろう時期に一番聴いていたアーティストが小松未歩でした。まっすぐ生きることの大切さや人を想う力の強さはすべて彼女に教わったといっても過言ではありません。もちろん人生はそんな単純ではないかもしれませんが、私は小松未歩というアーティストに15年間焦がれ、憧れ、お手本にして生きてきました。やはりそれは小松未歩の作る楽曲の奥深さであり芯の強さに惹かれたからかもしれません。
小松未歩の現在について
@anton01von 宇津本さんは辞めました。FEEL SO BAD関係の皆さんは色々と活動中です。小松さんは実質、限りなく引退に近い状態です。以上、私の知る限りでは…。
— 斉田才（斉藤信久） (@saidasai) April 7, 2011
小松未歩の現在についてよく引き合いに出されるのが、斉田才氏のこのツイート。しかしこれ以外に関係者からの情報はあまりにも少なく、公式ブログの更新がとまったことやBeing GIZAのアーティスト欄から消えたことなど状況証拠的なものしかありません。
したがって言えることは、活動休止、事実上の引退ということくらいです。そして復帰についてですが、あくまで私個人としてはそこまで望んではいません。もし音楽業界から身を引いているのだとしたらかなりのブランクがあるわけで、人間性が変わっていなかったとしてもアウトプットの部分で私たちが知っている小松未歩ではなくなってしまっているかもしれないという事実が怖いからです。
もちろん復帰、活動再開してくれたら嬉しいことは確かです。でもそれ以上に、自分の人生観を形作ったあの小松未歩であり続けてほしいという願いがあります。わがままではありますが(笑)。
「魅力を語り尽くす」というタイトルにしておきながら、全然語り尽くせてはいないのですが、なかなか自分の中にある気持ちを整理するのも難しいので、ここで筆を置きたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました！
